北川景子さんが主演する「あなたを奪ったその日から」が2025年4月21日からスタートしました。
2歳と0歳の子供がいる筆者が、母親目線も含め最終話のネタバレレビューしていきたいと思います。
- 月10ドラマ「あなたを奪ったその日から」最終話のあらすじ、内容
- 月10ドラマ「あなたを奪ったその日から」最終話の率直な感想
ドラマ「あなたを奪ったその日から」最終話 あらすじ
娘(一色香澄)の本当の思い――。
11年におよぶ、壮大な復讐劇の結末は!?――

美海が萌子に戻り、結城家に帰りました。ひとりになった紘海。どうなる最終回。
※以下、ネタバレあり。
※ドラマ鑑賞が趣味のあんずの率直な感想です。気分を害される可能性もございますが、その点はご容赦いただき自己責任でお読みください。
ドラマ「あなたを奪ったその日から」最終話 ネタバレ&感想
冒頭
萌子の様子を気にかけつつ、告訴の件をせっついてくる木戸会長。
「そろそろじゃないか。早く誘拐犯を逮捕させてこの件を終わらせるんだ」と結城に迫ります。
萌子の自室を訪れ、学校の様子を聞く結城。
鉄道研究会の部活にも入り、「宿題するね」と笑顔も見せる萌子です。ただ紘海と暮らしていた頃を考えるとよそよそしさは否めません。
萌子が落ち着いたら告訴をする、と会長に伝えていた結城ですが…



萌子はまだ完全には心を開いてないし、結城もそれに気づいてます
結城の脳裏には萌子と10年ぶりに対面したときの会話がよぎります。
「お母さんのこと、通報しますか」
「しないよ」
元妻の江身子との電話で「萌子はだいぶ馴染んできた」と結城は話します。
「中越さんには会わせないの?」と問う江身子に「あたりまえだ。犯罪者だぞ」と答える結城。
「そうだけど…あの子にとっては育ての親なわけだし」と江身子は紘海にやや理解を示している様子です。
一方紘海の部屋。料理が得意な彼女も出来合いの弁当で済ませ、彼女は雑然とした部屋の中で座り込んでぼんやりしています。その手には電車のキーホルダーが付いたキーケース。
そのころ望月は居酒屋でくだを巻いていました。「ったく、あの野郎」と大学の同窓に結城のことを愚痴っています。
「あの野郎って、旭さんは大学の先輩だろ?」と窘められますが「それは大学の時の話。そもそも俺と旭さんはタメ!」と反論しています。
「望月は頼りになる男だって言ってたけどな~」
「迷ったときはいつも望月に聞いてるって言ってたぞ。しっかりしろよ」と同級生に喝を入れられます。
一方、玖村。
会社を辞めたことを梨々子に告げます。
「やっぱり俺、人生終わってるよな」
「もしかして、私のせい?」と梨々子は気にしますが…。
「君はいいよな。例のピザ事件だってパパが圧力かけてるのか記事にならないじゃないか」
「ちがう!私はむしろ記事にしてほしくて…」
「どっちでもいいよ!いずれにしろ人生終了したのは俺だけだったってことね」



だいぶやさぐれている玖村です。
ベッドに寝ころんだまま厳しい表情で動かない紘海。そこへインターフォンが鳴りました。
ドアを開けると雪子先生でした。
「あなたらしくないわね。部屋の空気くらい入れ替えないと」とカーテンを開け放ち、窓をあける雪子先生。
悄然としている紘海は雪子先生に「嘘をついていた」と告白します。
最後に美海に伝えたいことがあるかと聞かれたとき、ありませんと答えたけれど…。
美海に最後に言ってしまったひどい言葉。
お母さん…と泣く美海に
「お母さんじゃない!娘でもない!血もつながってない!」
と言い放ってしまったことを紘海はひどく悔やんでいます。
逮捕される前に、せめて一度だけ謝りたい。
髪も服もボロボロのまま、紘海は頭を垂れます。
「もちろん、許されないことはわかってます。でもこの先ずっと、あの子が傷ついたままだと思うと……」



悔やんでも悔やみきれないね…
打ちひしがれている紘海に、雪子先生は優しく寄り添います。
紘海先生、あなた、美海ちゃんにできることはもうなにもないって思ってるんじゃない?
でもね、いつかどこかでばったり出会うかもしれない。
もしくは、風の噂であなたがどんな生き方をしているか、美海ちゃんに伝わるかもしれない。
そのとき、どんなあなたであるか、背中で美海ちゃんに伝えられることがあるんじゃないかな。
ここでオープニングになりました。
前半
週刊さざなみにて。
砂羽は元木に相談します。
「迷ってるんです、記事にしていいのかどうか――」
正しいことなのかどうかで悩んでいる砂羽を元木は鼻で笑います。
「正しいか迷いだしたら週刊誌記者は終わりよ。」
組織で上を目指して努力してきた元木。でも結局は男社会。出世したのは男だけ。後悔はしてないけれど、もっと別の生き方もあったかもしれないとたまに考える。
そう自分の話をして砂羽に言います。
「記事にするかしないか。後悔しないほうを自分で選びなさい」



もっと別の道があるかもしれないと迷いながらも上を目指した元木。
結果として夢破れたけれど後悔はしていない。
だから砂羽も後悔しない選択を、という元木からのエールですね
例の居酒屋でブルーグレーの万年筆(?)で印刷した記事を苛立たしげにコツコツ叩く砂羽。
「お客さん、飲みすぎじゃないですか?」と彼女の背中から声をかけたのは、居酒屋の店員姿の望月でした。
「なにその恰好!」と驚く砂羽に「まあいろいろあって」と適当に返し、彼女の机の印刷物を見やります。
「例の記事出すの?考え直してくれないかな」
結城と仲たがいしたんじゃなかったのか、と砂羽に聞かれますが、望月はいつもの調子で答えます。
「天秤にかけてみた。旭さんにむかつくことと、これまで世話になったこと。そしたらこっち(世話になった方)がちょっと重かった」



なんだかとぼけた感じの望月
すっかり調子を取り戻したようです
「それに鷲尾さんは旭さんに脅されてたんじゃなくて、梨々ちゃんをかばって真実を隠してたんだろ。お父さんが守ろうとしたことを、君が暴くの?」と告げる望月。



おや、ピザ事件の真相をいつのまにか知ってる様子
結城から聞いたのかな…?そんな場面あったっけ?
「父のことをなにも知らないくせに!」と噛みつく砂羽に、望月はとぼけたように言います。
「君ほどは知らないけど、俺が知ってる鷲尾さんは腕のいい料理人で優しくて、別れた奥さんとの間にお嬢さんがひとりいて、すごい自慢してて…」
ここで砂羽の回想シーンが入ります。
鷲尾のアパートの一室で、「これ、就職祝い」と父親から差し出されたのは例のブルーグレーの万年筆。
「立派なジャーナリストになるんだぞ」と言われたことを思い出し、涙をこらえる砂羽。
第四話から意味ありげに登場していたこの万年筆。
鷲尾からのプレゼントだったんですね。


「あんたになにがわかるのよ。お父さんがどれだけ優しくて、どれだけ私を大事にしてくれてたか」
「え、泣いてるの?」と望月に突っ込まれ、砂羽は「うるさい、むかつく!」とキレます。
記事をぐしゃぐしゃに掴んで望月に叩きつけます。
「いたたたた」と「ごめん」を繰り返す望月。



なんだか仲良さげです
布団でぼんやりしている紘海。
雪子先生の言葉が脳裏をよぎります。
どんなあなたであるか、背中で美海ちゃんに伝えられることがあるんじゃないかな
紘海の目に光が戻ります。
布団を畳み、雑然とした部屋を片付け始め、清掃の仕事を懸命に行う姿がありました。
朝食の食卓で玖村の仕事のことをパパに相談する梨々子。
「再就職のために私に何かできることないかなって」
「わかった、考えてみるよ」と了承しながら、結城は「萌子遅いな」と下の子を気にかけます。
なかなかリビングに降りてこない萌子の部屋を訪れる結城と梨々子。
ベッドに座っていた萌子はとっさに掛け布団を腰に巻き付けて立ち上がります。
その姿を見てピンと来たのは梨々子です。結城を部屋から追い出し、萌子に自分のポーチを差し出して「はい、これを使って」と渡します。



初潮を迎えたシーンでしょうか
「あなたが生まれてすぐママが出て行って、いつか妹にこういうことを教えるのが姉の仕事になるんだろうなって、あのときぼんやり思ってた」
優しい顔で梨々子はつぶやきます。
「パパはこういうの、ダメだから。でも、かばうわけじゃないけど……パパは不器用なだけで悪い人じゃないよ。萌子のこと、ずっと必死に捜してたんだから」
梨々子はすっかり改心した様子です。
姉から言われ、父親の人となりをわかってきた萌子。
結城が仕事から帰宅した後、リビングにひとり座っていた萌子はぽつりと話し始めます。
「夢見たことがあって、この(電車の)おもちゃで誰か大きな人に遊んでもらって……」
ここで回想シーンになります。
3歳のころの萌子が結城宅のリビングで電車の模型で遊んでいます。となりには結城の姿。
電車のおもちゃを動かしながら「ガタンゴトン~スイッチバックースイッチバック―」と笑っています。



スイッチバック?なんでスーパーの店名を連呼してるの?
と思ったら、スイッチバックとは電車用語なんですね
鉄道車両の登坂能力を大きく超える急こう配を登るため、急斜面にジグザグ状に線路を敷いてこう配を緩和し、列車を進行させたり退行させたりしながら坂を登っていく方式のこと
「ずっと夢だと思ってたけど……もしかしたら。捜してくれてありがとう。それと、スーパーの名前も……ありがとう」
萌子はそう言って結城に感謝を告げます。
幸せであってほしい。
もう会うことはできなくても、
私のことは忘れてしまっても。
どうか……笑っていて。
紘海が電車のキーホルダーを握りしめながら見上げる月を、萌子も自室から眺めています。
その傍らのカレンダーは12月。10日のところに赤丸が記されています。



中学生の女の子の部屋のカレンダー…
なんの飾りもないめちゃくちゃ業務用チックなもので少し笑ってしまった笑
夜、スーツ姿で携帯を眺めているのは玖村です。
どうやら就職活動でお祈りメール(不採用案内)を受け取ってしまった様子。
ため息をつくと梨々子から着信がありました。
「パパに話したよ。玖村さんの仕事のこと。ぜひうちの会社に来てほしいって言ってた」
「はあ?」
「迷惑だった?」と言う梨々子はこれまでとは違って善意で動いている雰囲気です。
「いや……ありがとう」
そう言って通話を切る玖村の手は震えていて、その表情は怒りに満ちているようでした。



そもそもおまえらのせいで人生狂ったんだよ!
上から目線でなんのほどこしだよ!
といった心情でしょうか。
玖村…!
朝、萌子が起きてこないので様子を見に部屋に行くと、そこはもぬけの殻。
机に「お父さんへ」と記された手紙が残されていました。
一方、紘海の部屋。カレンダーにはやはり10日の部分に赤い丸が記されています。
それを無言で見つめている紘海。



萌子の部屋にあったのと同じようなシンプルなカレンダーです
そこへインターフォンが鳴ります。
慌てた様子でやってきたのは結城です。
「萌子は?中を確認させてもらう」と上がり込もうとする結城を紘海は「ちょ、ちょっと待ってください!萌子ちゃんはここにはいません!なにかあったんですか?」と押しとどめます。
「いなくなったんです。これを置いて」
結城が出した手紙を受け取り、紘海は中身を読みます。
お父さんへ
お父さんと初めて呼びます。
手紙を書くのも初めてです。なんだか緊張しますが、最後まで読んでください。
新しいおうちで暮らすことになって、私は怒っていました。許せなかったんです。
突然現れたお父さんのことも、私を突き放したお母さんのことも。
いい子のふりをしていたのは、ただお母さんに捕まってほしくなかったからです。
私はこれからも、お父さんには心の蓋をぴったり閉じていくつもりでした。
だけど気づいたんです。お父さんはとてもいい人だって。いい人でよかったって思いました。
そんなお父さんだからこそ、わかってほしいんです。
もう一度でいい。お母さんに会いたいんです。
離れていても、お母さんは私の中にいて、消すことはできないんです。
会ってはいけないことはわかっています。
離れて暮らすことが正しいと知ってます。
でもお父さん、胸が引き裂かれそうに痛いんです。
手紙のモノローグを背景に、萌子はひとり電車に乗って長野の姨捨(おばすて)に向かっています。
それはいつか、「美海の誕生日に行こう」と紘海と約束した地でした。



カレンダー12月10日の赤丸は美海(萌子)の誕生日だったんですね
姨捨の駅のホームで、電車が停車するたびに萌子は立ち上がります。



紘海を待ってるんですね
「うそつき、来ないじゃん。
お母さんの嘘つき……
お母さん……」
ベンチに座りながら泣きそうになる萌子。
そこへ「美海!」と声がかかります。



まさかの反対ホームに紘海と結城の姿がありました
たまらず走り出す紘海。
これまでふたりで過ごしてきた日々が回想シーンで流れます。



それは間違いなく本当の親子の姿でした。
「お母さん…」とつぶやく萌子。
紘海がすぐそばまでやってくると、ハッとしたように叫びます。
「ダメ……会っちゃダメなんだよ!捕まっちゃうよ」
「来ないで、ダメだよ、来ないで」
そういわれても、紘海はまっすぐ歩いていき、美海を抱きしめます。



涙
場面は変わり、カメラをセットする萌子が、結城と紘海に向かって「もうすぐ始まるよ!スイッチバック!」と嬉しそうに声を掛けます。
その姿を見守りながら、紘海は隣に立つ結城に話始めます。
「スイッチバックが鉄道に関する名前だとはじめて知ったのは、あの子がここに来たいと言って姨捨を調べたときです。同時に結城さんが萌子ちゃんのことを思ってお店の名前をつけたのだということに、ようやく気が付きました。」
それを聞き、結城は静かに答えます。
「中越さん。萌子は戻ってきたけれど奪われた時間は戻りません。私はまだあなたを許せずにいる」
その言葉に紘海は深々と頭を下げます。
「あなたは、僕を許していますか?お嬢さんの命を奪った僕を……」
「私は……ずっと灯の死を受け入れられませんでした。あなたを恨み、娘を守れなかった自分を憎み、そして罪を犯しました。今ではこう思っています。灯は生きていた。短い人生だったけれど、小さな体で力いっぱい生きた。今は、すべてを受け入れています」
「なぜですか。私はいまだにあなたを許せずにいます。教えてください。どうしてそんなことができるんですか」
「あの子のためです。あの子には、私のようにはなってほしくないから。人を恨んで自分を見失ってほしくない。人を受け入れる、強い大人になってほしい。これから自首します」
紘海の言葉に、結城は少し戸惑った表情をします。そしてスイッチバックを行う電車がやってくる音がしました。
後半
車で戻ってきた3人。結城が見守る中、萌子と紘海は向き合います。
「また…会えるよね?会っていいよね?」そう言う萌子に、紘海は首を振ります。
「どうして? お父さん、お母さん捕まらないよね。約束したよね」
「美海……萌子ちゃん。私のことはなにも心配しなくていいから。いい?私のことは忘れていい。あなたは自分のご家族と幸せになることだけを考えればいいから」
優しい表情の紘海に、萌子は泣き顔です。
「無理だよ。私、お母さんがいないと…」
「無理じゃない。あなたは大丈夫。お母さん知ってるよ、あなたがどんなに強くて優しくて、どんなにいい子か。初めて会ったときからあなたは可愛くて…」
ここで萌子が3歳のころの回想シーンが入ります。
「いつも、好きなことに一直線で、ずっと優しい子で……お母さんは、そんなあなたが可愛くて、愛しくて。だから、あなたを盗んでしまった」



前回否定してしまった自分の気持ちを、ここで素直にさらけ出します。涙
「いい?あなたはなにも悪くない。あなたはこれから幸せになるの。周りの人を愛して、愛されて、いつか夢をかなえて、素敵な大人になる。だから大丈夫」
涙を流しながら、萌子は紘海に問いかけます。
「おかあさん、私のこと……好き?」
「好きだよ。大好きだよ。これからもずっと」
「美海って呼んで」
「美海」
「もう一回」
「美海」
「もう一回」
「美海、大好きだよ」
「お母さん……」
抱き合うふたり。
これでお別れになってしまうのでしょうか…。
株式会社タイナスにて。記者会見の受付の場で、なにやら社員たちがざわついています。
お客様相談室の村杉が社員から見せられたスマホを見て「えっ!?」と顔をしかめます。
なにやら記者会見の準備中の結城。「想定される問答の一覧です」とスタッフから資料を受け取っていると村杉が駆け寄ってきます。
「これ、ご存じですか?」
スマホの画面にはネットニュースの記事が表示されていました。
『衝撃の真相‼
誘拐犯は11年前の死亡事故の被害者遺族か⁉因果応報か⁉タイナス常務ファミリーの闇』
というタイトルで、萌子の失踪がSNS上で告発され新事実が浮上したと書かれています。
『事故で娘を亡くした母親が、萌子ちゃんの誘拐犯の可能性があるというのだ』
『2014年、Yukiデリの”死のピザ事件”とは?』
「SNS上の告発を、記事にしたようです」と村杉。
この記事を書いた記者「塩崎洋一」という人物がこれから始まる記者会見に出席しているという。



週刊誌に情報を売ったのではなく、SNSに自分で書き込んだんですね……玖村が。
梨々子への復讐でしょうか…?
次の場面、玖村の持つスマホ画面にはSNSの投稿が表示されていました。
『結城梨々子は殺人者』というアカウント名で『萌子は皆川灯ちゃんの母親が誘拐~中略~皆川灯ちゃんの死亡事故の真犯人は旭の長女梨々子だった!』と梨々子の顔写真付きで投稿されています。



まさにSNSで逆襲です…闇落ち玖村
どんどん拡散されていく投稿を眺めながら「ざまあみろ」と呟く玖村です。
記者会見ではスイッチバックがスーパー・トクマルを買収し、関西進出への足掛かりとする旨の報告がされていました。
この記者会見を居酒屋で望月と砂羽が仲良く眺めています。
質疑応答に入ると、例のネットニュース記事を書いた塩崎が手を上げました。
「結城常務。ピザを食べて死亡したお子さんの親御さんについてネットで話題になってます。ご存じですか?被害者遺族はあなたに復讐するためにあなたの次女を誘拐し、10年間自分の娘として育てていた。これは事実ですか?なぜ警察に通報しないのですか?あなたは身内の不祥事からはじまったこの事件を隠そうとした。つまり、保身のために通報しないのではないですか?」
ざわつく会場内。結城は立ち上がります。
「私の次女が被害者の遺族に誘拐されたというのは、事実ではありません。ふたりは、本物の親子です」
毅然と答える結城に会見に同席していた木戸会長もびっくり。唖然として隣の結城を見上げています。
「これからもふたりは、変わらず、親子です」
場面は戻ります。
姨捨から帰ってきた日、萌子と抱き合い、別れを告げていたシーンです。
ふたりを見守っていた結城は紘海に言います。
「中越さん、責任を果たしてください」
それに対して、紘海は「はい、これから警察に」と答えますが、結城は続けます。
「僕が言っているのは親としての責任です。子供にとって最も幸せな環境で、子供を育てることです。私も、親としての責任を果たします。あなたも、そうしてください」
泣きながら頭を下げる紘海。美海と抱き合ってふたりで泣きます。
そして紘海は自宅で手料理を作り、美海は新しい学校の制服を着て、紘海の自宅へと帰っていきます。
その表情は結城宅にいたときとはまったく異なる良い笑顔です。



結城の親としての責任とは、なんでしょうかね…。お金?
ハローワークに向かう闇落ち玖村。目に入ったのはハローワークから出てくる梨々子の姿です。彼女はきっちりとスーツを着込んで就職活動中の様子。
「私もあのSNSで職場にいられなくなったから。お互い頑張ろうね」と言って、去ろうとします。
玖村はSNSの書き込みが自分だとわかってるだろ?それならほかに言うことないのかよ、と逆切れ気味に詰め寄りますが、梨々子はすっきりした顔で「ありがとう」と言いました。
「これでよかった。私はそれだけのことをやったから」
前を向いて歩き出す梨々子に、玖村は追いすがろうとします。
「待てよ、ほかにあるだろ!罵れよ!恨んでくれよ……」
それでも梨々子は振り向かずに歩いていくのでした。



許すことができず復讐に捕らわれたまま、落ちていく玖村です
居酒屋で望月に提供された料理をほおばる砂羽。ふたりで仲良く話していると、結城がやってきます。
気まずそうにする望月に「ビールふたつ」と注文をする結城。
「聞いたよ、来月自分の店をオープンするんだって?」と望月に笑いかける結城です。



望月は居酒屋を経営するのですね
結城が注文したビールでで乾杯し、お祝いをする三人。
「もう先輩でも上司でもないんだから敬語はいいよ」と結城が言うと「旭」とさっそく呼び捨てにして「あさひぃ?」と結城がキレるフリをするなど、和気あいあいとした雰囲気です。
結城に突っ込まれてましたが、砂羽と望月はすっかり仲良しになって、今後付き合うのかもしれないですね。
スイッチバックを見回りしている結城。そこへ「お父さん」と萌子がやってきます。「お使い、つきあって」と言う萌子に「今日はいいお魚入ってるよ」と店内を案内する結城。
紘海の家でお母さんと並んで洗い物をする萌子(美海)はとても幸せそうです。
そして4月になったカレンダーには、毎週のように「お父さんに会う日」が書き込まれていました。
ここで最終話は幕を下ろします。
ドラマ「あなたを奪ったその日から」最終話 感想まとめ
お互いに大切な子供を奪い、奪われ、複雑な構成のドラマでした。
真実を隠されると許せるものも許せず憎しみが増幅してしまう。
でも人を恨んでも幸せにはなれない。
『許すこと』がこの作品のテーマだったのかなと感じました。



そして許すことができなかった玖村がひとり闇落ち…
彼は今後梨々子に救われるのでしょうか
母と子の絆に涙する場面が多々ありました。血のつながりなんて関係なく、愛情があればそれはもう親子に違いないのですね。
面白かったです!
ところで萌子は新しい学校のままのようですが、名前は『結城萌子』のままなのでしょうか。役所に氏名変更の届を出したのかな。紘海との間では美海として過ごしていそうですね。